シンポ一覧

学術シンポ

福島第一原子力発電所の地質・地下水問題:
原発事故後10年の現状と課題

開催日時:2021年8月21日(土)09:00~12:00(Web開催)
世話人会:柴崎直明*(福島支部),塩野敏昭(長野支部),末永和幸(埼玉支部),佐藤ひかる(福島支部),大野隆一郎(新潟支部) *世話人会代表

■主旨:
福島第一原発地質・地下水問題団体研究グループ(以下、原発団研)は,原発事故後10年となる2021年に,地団研専報「福島第一原子力発電所の地質・地下水問題-原発事故後10年の現状と課題」(以下、原発団研専報)を出版する。この専報では,2015年2月の原発団研発足後,6年余りの団研活動で取り組んできた福島第一原発敷地の地質・地下水の実態解明の成果と,地質・地下水の視点から原発事故後10年の汚染水問題や地盤問題の現状および廃炉の課題をとりまとめている。本シンポでは,原発団研専報の内容を紹介するとともに,再稼働が狙われている柏崎・刈羽原発の問題にも触れ、原子力発電所の危険性を指摘する。
専報の詳細・購入方法についてはこちら

■内容(案):
09:00~09:10 世話人会からシンポジウムの趣旨説明
09:10~09:40 地質・地下水からみた福島第一原発事故の背景と課題(柴崎直明)
09:40~10:00 福島第一原発汚染水問題とこれまでの対策(末永和幸)
10:00~10:20 福島第一原発付近の地質状況(小林雅弘)
10:20~10:40 福島第一原発付近の水文地質と地下水流動(佐藤ひかる)
10:40~11:00 福島第一原発の汚染水対策の評価と対策の提案(塩野敏昭)
11:00~11:30 新潟県からみた福島第一原発事故と柏崎刈羽原発の再稼働問題(立石雅昭)
11:30~12:00 総合討論

(更新日:2021年5月10日)

2021年05月10日

若手シンポ

若手の地団研活動~今,コロナ禍の中でできること~

開催日時:2021年8月21日(土)16:30~18:00(Web開催)
世話人会:相澤雄流*(福島支部),芳賀喜代次(福島支部) *世話人会代表

■主旨:
地質に携わる若い技術者や研究者は人口減少とともに年々減少傾向にあり,近年はさまざまな企業や学会等で若手の人材不足が課題となっている。地団研も例外ではなく,若手会員数が他学会と同様に減少しており,一般に若手と呼ばれる20代と30代の割合は,地団研の会員数全体に対して8%にも満たない状態である。ベテランから若手への技術継承は急務であるものの,若手会員の減少以外にも約1年半前から世界的に蔓延するCOVID-19(新型コロナウィルス)の影響が追い打ちをかけるように,直接コミュニケーションを取る場を奪っている。また,各大学においては,COVID-19の影響でリモート授業が中心となり,友人同士でさえ顔を合わせた付き合いが大きく減少し,自主ゼミやサークル活動はほぼ皆無の状態である。このように,ベテランと若手の交流だけではなく,他大学や他研究室などの若手会員同士の交流も満足にできない状況である。
本総会で行われるシンポジウムで議論される課題(原発・地層処分・再生可能エネルギーと防災)は,いずれも2,3年で解決できるものではなく,長期的に取り組む必要がある。そのためには,継続的な地団研活動の実施と,これらの課題に立ち向かっていく若手の育成が必要と感じている。
本シンポジウムは,若手会員(研究者および学生)が,現在行っている研究や業務を地団研の会員に紹介することで,ベテランと若手や若手同士でのコミュニケーションを図ることを目的として実施する。そして,地団研全体として今後の活動の方向性や若手会員にとって問題となっている課題に対し,どう関わっていくべきかについて考える機会としたい。また,ベテラン会員からの発表を踏まえ,若手会員自身も地団研の将来や学会への関わり方について考える機会とする。最後の討論・コメントの時間には,会員全体で今後の地団研について考え,コロナ禍でも可能な活動やその先を見据えた意見や提案を積極的に発表していただき,若手会員の育成が地団研全体の課題であることを共有するシンポジウムとする。

■内容(案):
16:30~16:40 世話人会によるシンポジウムの主旨説明(相澤雄流)
16:40~17:20 若手会員による研究紹介(若手会員[学生・院生・社会人])
17:20~17:40 経験から若手会員に伝えたいこと(金川和人)
17:40~18:00 討論・コメント(相澤雄流・芳賀喜代次)

(更新日:2021年5月10日)

2021年05月10日

再エネ・防災シンポ

福島県における再生可能エネルギーと防災の現状と課題

開催日時:2021年8月22日(日)09:00~12:00(Web開催)
世話人会:金子翔平*(福島支部),塩野敏昭(長野支部),方違重治(東京支部) *世話人会代表

■主旨:
東日本大震災を受けて,福島県は「原子力に依存しない,安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」を目指して,2040年頃を目途に,福島県のエネルギー需要の100%以上に相当する量のエネルギーを再生可能エネルギー(再エネ)で生み出すことを目標にしている。再エネは,地形・地質学や地下水学も大きく関わっている。例えば,地中熱利用では,水文地質条件が地中熱交換システムの効率に影響を与えることが知られている。また,太陽光発電では,パネル設置に伴う森林伐採や地形改変により土砂災害リスクの増加や地下水資源への影響が懸念される。近年では,福島県内の2村が,自然環境保護を目的として,太陽光発電設備の規制に関する条例を制定した。
一方,自然災害のリスクも年々増加しており,震災発生から10年の間に幾度となく余震が発生し,2021年2月13日の地震では福島市で震度6強を記録した。2019年(令和元年)台風第19号による洪水被害により,福島県中通りでは現在でも借上げ住宅等へ避難している住民もいる。日本各地での豪雨災害を踏まえて国は,河川災害のリスク軽減のため流域治水への転換を推進している。地震・洪水以外にも,福島県内の活断層や活火山が更なる災害を引き起こす可能性もある。安心・安全な社会づくりにとって,これらの災害リスクの理解が必要である。
福島総会では,地形・地質学や地下水学等の観点から再エネ・防災をテーマとするシンポジウムを企画した。各演者に,福島を中心とした調査・研究成果を講演していただき,その後,参加者の皆さんを交えて討論し,再エネ・防災の取り組みの現状と課題を福島から発信するシンポジウムとしたい。

■内容(案,発表タイトルは仮題):
09:00~09:10 シンポジウムの趣旨説明(世話人会)
09:10~09:30 水文地質環境を活用した地中熱利用の概要と展望(金子翔平)
09:30~09:50 地中熱冷暖房システムを取り入れたZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の事例について(藤沼伸幸・谷藤允彦)
09:50~10:10 今、太陽光発電を考える(石田 聖)
10:10~10:30 総合治水対策から流域治水への課題(土屋十圀)
10:30~10:50 令和元年台風19号被害状況をふまえたEco-DRRへの展開(川越清樹・佐藤大輝・阿部翼・二瓶茜・栗城斗真)
10:50~11:10 次の地震災害に備えて(中村洋介)
11:10~11:30 福島県の活火山の近年の活動状況と災害対策(長橋良隆)
11:30~12:00 総合討論

(更新日:2021年5月10日)

2021年05月10日

科学運動シンポ

「核のゴミ」の地層処分問題を考える

開催日時:2021年8月22日(日)14:00~17:00(Web開催)
世話人会:金井克明(新潟支部),関根一昭,末永和幸(以上埼玉支部),
中山俊雄,松本俊幸*(以上東京支部) *世話人会代表

■主旨:
低・高レベル放射性廃棄物の「核のゴミ」の地層処分をめぐって,国やNUMO(原子力環境整備機構)は,2017年に処分地の適地選定のための「科学的特性マップ」を公表,2018年には,地層処分の「技術的」な裏付けとなる包括的技術報告書を発表した。こうした中,「科学的特性マップ」を考える会(考える会)では,2017年以降,地層処分問題について取り組んできた。2020年,おりしも地層処分地選定のための文献調査に北海道寿都町と神恵内村が名乗りを挙げ,現在,調査が行われている。
このシンポでは,これら町村が,地層処分の適地ではないことを地質学的視点から説明し,このような適地選定を行ってきた,「科学的特性マップ」や包括的技術報告書についての問題点を明らかにする。またブックレット13の普及を通じた活動体験を地団研のみなさんと共有し,これから各地で動き出す際の参考事例としたい。最後に,福島第一原発も原子炉内のデブリをはじめ敷地内にある多くの「核のゴミ」をどのように処分していくのか,地層処分問題を福島から問題提起・発信する。

■ 内容(案)
講演司会:末永和幸/中山俊雄
14:00~14:10 シンポジウムの主旨説明(松本俊幸・世話人会)
14:10~14:55 基調講演:寿都町・神恵内村は深地層処分の適地か?―地質学的視点から考える(岡村 聡)
14:55~15:35 NUMOによる「包括的技術報告書」の問題点と保管問題の検討 (関根一昭・「科学的特性マップ」を考える会)
15:35~16:00 『「高レベル放射性廃棄物」はふやさない,埋めない』(地団研ブックレットシリーズ13)の普及活動の経験と地団研の今後の課題(金井克明)
16:00~16:35 福島第一原発をとりまく放射性廃棄物問題と地層処分に関する問題提起(柴崎直明)
16:35~17:00 質問,討論,コメントなど(総合討論司会:中山俊雄)

(更新日:2021年5月10日)

2021年05月10日