再エネ・防災シンポ

福島県における再生可能エネルギーと防災の現状と課題

開催日時:2021年8月22日(日)09:00~12:00(Web開催)
世話人会:金子翔平*(福島支部),塩野敏昭(長野支部),方違重治(東京支部) *世話人会代表

■主旨:
東日本大震災を受けて,福島県は「原子力に依存しない,安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」を目指して,2040年頃を目途に,福島県のエネルギー需要の100%以上に相当する量のエネルギーを再生可能エネルギー(再エネ)で生み出すことを目標にしている。再エネは,地形・地質学や地下水学も大きく関わっている。例えば,地中熱利用では,水文地質条件が地中熱交換システムの効率に影響を与えることが知られている。また,太陽光発電では,パネル設置に伴う森林伐採や地形改変により土砂災害リスクの増加や地下水資源への影響が懸念される。近年では,福島県内の2村が,自然環境保護を目的として,太陽光発電設備の規制に関する条例を制定した。
一方,自然災害のリスクも年々増加しており,震災発生から10年の間に幾度となく余震が発生し,2021年2月13日の地震では福島市で震度6強を記録した。2019年(令和元年)台風第19号による洪水被害により,福島県中通りでは現在でも借上げ住宅等へ避難している住民もいる。日本各地での豪雨災害を踏まえて国は,河川災害のリスク軽減のため流域治水への転換を推進している。地震・洪水以外にも,福島県内の活断層や活火山が更なる災害を引き起こす可能性もある。安心・安全な社会づくりにとって,これらの災害リスクの理解が必要である。
福島総会では,地形・地質学や地下水学等の観点から再エネ・防災をテーマとするシンポジウムを企画した。各演者に,福島を中心とした調査・研究成果を講演していただき,その後,参加者の皆さんを交えて討論し,再エネ・防災の取り組みの現状と課題を福島から発信するシンポジウムとしたい。

■内容(案,発表タイトルは仮題):
09:00~09:10 シンポジウムの趣旨説明(世話人会)
09:10~09:30 水文地質環境を活用した地中熱利用の概要と展望(金子翔平)
09:30~09:50 地中熱冷暖房システムを取り入れたZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の事例について(藤沼伸幸・谷藤允彦)
09:50~10:10 今、太陽光発電を考える(石田 聖)
10:10~10:30 総合治水対策から流域治水への課題(土屋十圀)
10:30~10:50 令和元年台風19号被害状況をふまえたEco-DRRへの展開(川越清樹・佐藤大輝・阿部翼・二瓶茜・栗城斗真)
10:50~11:10 次の地震災害に備えて(中村洋介)
11:10~11:30 福島県の活火山の近年の活動状況と災害対策(長橋良隆)
11:30~12:00 総合討論

(更新日:2021年5月10日)

2021年05月10日