福島総会 準備委員長挨拶
- 東日本大震災・福島第一原発事故から10年が経った2021年夏,福島の地では11年ぶりとなる地団研総会が開催されます。未曾有の大地震と津波により多くの国民が被災しましたが,中でも福島県は原発事故の影響加わり,いまだに困難な状況にあります。先が見通せない廃炉問題(相次ぐ工程見直し),汚染水問題,進まない住民帰還(避難3.6万人の8割は県外へ,双葉町はいまだ全住民避難中),中間貯蔵施設と最終処分,農林水産業の再生(水揚げは震災前の2割にとどまる),社会基盤の整備,健康問題,震災の風化など,日々の生活に大きな影響を与えています。
このような福島の現状を全国の皆さんに見ていただき,震災・原発事故の真実を見つめ,これから私たちがすべきことを共に考える機会にしたいと考え,福島での総会開催に取り組み始めました。しかし,2020年1月以降、国内でも新型コロナウィルス感染症が広がり,その終息を見通すことができません。このような状況下では,全国の会員が一堂に会して総会を開催することは難しいと考え,全国運営委員会と相談の上,インターネットを利用した総会を行う判断に至りました。
現在も緊急事態宣言が継続して発令されている状況にありますが,インターネットを活用することで感染リスクを低減し,皆さんに参加してよかったと思っていただける総会を目指し,地団研本部と連携しながら準備を進めてきました。
総会議事とシンポジウム,プレゼンセッション等を8月21日(土)~22日(日)にWebで開催します。シンポジウムは,①学術シンポ:福島第一原発の地質・地下水問題,②若手シンポ:若手の地団研活動,③再エネ・防災シンポ:福島県における再生可能エネルギーと防災の現状と課題,④科学運動シンポ:「核のゴミの地層処分問題を考える,をテーマに準備を進めています。また,従来のポスターセッションに代わりプレゼンセッションをWeb方式で開催します。自宅や職場・大学に居ながらにして日頃の研究成果を発表したり,視聴したりできますので多くの皆さんに参加してほしいと思います。
一方,残念ながら,当初予定していた学術シンポと再エネ・防災シンポに関連した総会巡検は,全国の感染状況や参加者の感染リスク等を考慮し中止することになりました。参加を予定されていた会員の皆さんにはご迷惑をおかけしますがご理解いただきたいと思います。巡検は中止となりましたが,福島総会では、東日本大震災・福島原発事故や再生可能エネルギー関連のシンポジウム,Web交流会などを通して,大震災から10年を経た福島の現状を皆さんにお伝えできたらと思います。
全国の地団研会員の皆さん,2021年8月福島総会への参加をお願いします。そして,新型コロウィルス感染症が終息した後は、ぜひ福島の地においでください。お待ちしております。
- (福島総会準備委員長 班目芳光)
更新日:2021年6月1日
シンボルマークのコンセプト
角の取れた緑色の四角形枠 → 自然豊かな福島県と県の形
赤色の山 → 磐梯山,吾妻山,安達太良山の火山
水色の楕円 → 猪苗代湖,五色沼湖沼群,阿武隈川,安積疎水など豊かな水環境
ベージュ色のベース → 温かく純朴な福島の県民性を表す
黄色の開催地名 → 太陽や光のイメージを持つ黄色で,未来への明るさを示す
ひらがなの「ふくしま」 → 「フクシマ」から「ふくしま」への思い
山に線を一本追加して F と M をデザイン化 FukushiMa